『ジェンダー・ギャップ映画祭』について

開催日 : 2021年12月4日(土)〜12月10日(金)


主催 : 日本大学芸術学部映画学科映像表現・理論コース3年「映画ビジネスⅣ」ゼミ/ユーロスペース

上映協力 : アニモプロデュース/アルバトロス・フィルム/ギャガ/国立映画アーカイブ/ザジフィルムズ/松竹/松竹大谷図書館/セテラ・インターナショナル/タイムフライズ/東京テアトル/東宝/日活/パンドラ/ファインフィルムズ

 今年で11回目となる日藝生企画・運営の映画祭。テーマは「ジェンダー・ギャップ」だ。昨今、さまざまな性的指向や性自認への理解が広まりつつある。映画界では、#MeToo運動を皮切りに女性監督が活躍するほか、シスターフッド映画、フェミニズム映画が盛り上がりを見せている。それでも日本は、無意識な差別や偏見、特に男女差別が根強く残る国である。これから社会に出る私たち学生は、将来に不安を抱えると共に、既に自分たちもその当事者として理不尽に扱われてきた記憶を持つ。時代と共に見方や評価が変わりゆく芸術、とりわけ時代の価値観が反映されやすい“映画”を学ぶ私たちだからこそ、見過ごされてきたこの問題に改めて向き合いたい。
 本映画祭では、主に性差に疑問や悩みを持ち、行動してきた女性を描いた作品を取り上げる。まず中国の蔡楚生監督『新女性』と溝口健二監督『浪華悲歌』は、製作国こそ違えど、どちらの主人公も女性であるが故に苦しい選択を迫られるという同時代性を見せる。女性監督の筆頭であるアニエス・ヴァルダからは『5時から7時までのクレオ』を選出した。家庭や学校での性差に悩む少女の繊細な心情を捉えたキム・ボラ監督の『はちどり』は、スタッフ全員一致で選んだ。日藝映画祭で初選出となるアニメーションは、遊女であるリンの生き方が更に深く描かれた片渕須直監督『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』。また、『RBG 最強の85才』や『この星は、私の星じゃない』のように、男女平等の道を切り拓いてきた女性のドキュメンタリー作品にも注目して欲しい。
 例年以上に現代の作品を多く選定したのは、今後の自分たちの生き方の鍵が見えやすいからだ。さまざまな理由で上映を断念した作品も多いが、それほどに世界は、今も昔もジェンダー・ギャップに満ちている。本映画祭を通して、変わりゆく男女観に気づき、幅広い層の方々と共に自由に語り合えたら、と考えている。

(映画祭企画学生一同)


これまでの映画祭

※映画祭タイトルをクリックすると、チラシのPDFファイルが開きます。


第1回「映画祭1968」(チラシPDF)

映画『マイ・バック・ページ』に感銘を受けた学生たちが現代の視点で「1968」という時代を再評価するべく、学生運動そのものや、そこから生まれた世界の変化や激動を描いた作品を集めた映画祭。

第2回「新・女性映画祭」(チラシPDF)

学生が映画を学ぶ中で「こんなふうに私も生きたい」と心を動かされ、困難に立ち向かうヒロインたちから生きる手がかりを得たいと国籍や時代を問わず幅広い作品が選出された映画祭。


第3回「監督、映画は学べますか?」(チラシPDF)

映画を学ぶ立場から日本映画の未来を見つめることを中心に、21世紀を担う監督たちを招き、自主制作作品や秘蔵映像などの上映を行った今までにない映画祭。4名の監督による討論なども話題に。


第4回「ワーカーズ 2014」(チラシPDF)

これから就活を始める大学3年という時期だからこそ直面する「働くということ」について、映画が映し出してきた時代ごとの「働く」様子を通じて考え直す映画祭。


第5回「ニッポン・マイノリティ映画祭」(チラシPDF)

映画の始祖・リュミエール兄弟の派遣したカメラマンが19世紀末のアイヌ民族の姿を撮影していたことから始まり、映画はいつもマイノリティを映し出してきた。世界的に偏見と排他が蔓延する現代にこそ、学生の視点から日本の差別の戦後史を見つめ直す映画祭。


第6回「信じる人をみる 宗教映画祭」(チラシPDF)

地下鉄サリン事件、9・11、イスラム過激派のテロ事件…。宗教と社会が不穏に結びつく時代を生きた95年生まれの学生たちが「信じるとは何か?」に真っ向から向き合う映画祭。


第7回「映画祭『映画と天皇』」(チラシPDF)

前年8月に天皇陛下が生前退位の意向を表明されたことは、平成生まれの学生たちにとって天皇や日本について考えるきっかけとなった。日本国憲法が施行されて70年、映画はどのように天皇を描き続けたのかを考える映画祭。


第8回「映画祭『朝鮮半島と私たち』」(チラシPDF)

『キューポラのある街』(1962)に描かれていた、朝鮮半島と日本の歴史に学生たちは衝撃を受けた。「知らなかった」では済まされない過去や問題を「身近なもの」として考え直す映画祭。高い評価を受け、翌年ソウルでも本映画祭のプログラムが上映された。


第9回「映画祭『スポーツの光と影』」(チラシPDF)

2018年に発生した日大タックル問題と東京オリンピック2020の間で、学生はスポーツの在り方ついて考えた。スポーツ関連の報道から感じる同調圧力、相次ぐ体罰問題などに着目し、スポーツと映画それぞれが持つ“力”を見つめ直す映画祭。


第10回「映画祭『中国を知る』」(チラシPDF)

2020年、武漢から始まった新型コロナウィルスの感染拡大、香港の国家安全維持法の施行など、中国が世界各地でニュースにならない日はなかった。映画を通して中国、台湾、香港や日本との関係を「知る」映画祭。